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2007年9月16日 (日)

第一作のサイドストーリー

【フェイトの失態】のなのはSideになります。

ではでは、追記からどうじょ♪

ほんの些細な事だった
それがまさかこんなことになっちゃうなんて・・・・

─────フェイトの失態 なのはSide─────

「はぁ~、ちょっと遅れちゃった」
昨日前髪を切ったせいか、出掛け間際の身だしなみを無意識にいつも以上に念入りにしていて、時間が思った以上にかかってしまった。・・・・だってあの子に褒めてもらいたいから。
いつもの待ち合わせの場所に行くと待ち人はもうそこで待っていた。
わたしを待っていてくれる。その事実だけでわたしは嬉しくなって自然と駆け足になっていた。

「フェイトちゃ~んっ」
「あっ、なのはっ」
待ち人・・・・フェイトちゃんはわたしを見つけるなり優しい笑顔を向けてくれる。
うん、やっぱりこの笑顔を見ないと1日が始まった気がしないよ。
わたしは息を少し整えてからフェイトちゃんと向き合った。
「はぁっ…おはよう!フェイトちゃん」
「うん、おはよう。なのは」
そしてどちらからともなく、手を差し出して手を繋ぐ。約束したわけでもないのに自然とこうなった。アリサちゃんはなぜかいつも怒るけど今日はいないからいっぱい甘えちゃおーっと。
「なっ、なのは?」
「えへへー」
わたしは繋いでいた手はそのままでフェイトちゃんの方に寄り添って腕を絡めた。案の定フェイトちゃんは驚いてたけど引き離そうとはしず、照れたような笑顔を見せてくれる。・・・・よかった。
それからいつもの様に他愛もない話をしながらバス停まで歩いていった。だが、わたしには一つ気になることがある。
(・・・・フェイトちゃん、まだ気付いてくれないのかなぁ)
そう、フェイトちゃんはまだ前髪を切ったことに気付いてくれないのだ。確かに切り揃えただけだから気付かないかもだけど・・・・
(うぅ・・・気付いてくれても良いのにぃ)
と、そんなことを考えているとフェイトちゃんに急に声をかけられた。
「なのは、どうしたの?」
わたしは驚いてしまい、ちょっと動揺してしまった。
「えっ!?な、何か変だった?」
「ううん、なんだかいつもよりそわそわしてるからどうしたのかな?って思って・・」
フェイトちゃんはそんなわたしに気にする風でもなくそう答えた。
「そ、そうかな・・・・そんなことないよ」
わたしはちょっぴり気付いてくれたのかと思って期待したけど外れたようだった。無意識に自分が肩を落としたのにわたしは気付かなかった。

「「おはよう」」
教室について、わたしとフェイトちゃんはすでに席についていたアリサちゃんとすずかちゃんとはやてちゃんに挨拶をした。
「あ、やっときた!遅かったじゃないの!」と、アリサちゃん。
「おはよう。なのはちゃん、フェイトちゃん」と、すずかちゃん。
「おはようさん。相変わらず朝から熱々やなー」と、はやてちゃん。
三者三様の挨拶を返してくれる。ここまではいつも通り。
「お?なのはちゃん」
はやてちゃんがわたしを見て、何かを見つけた表情をしたから、わたしは「あっ」と思った。
「なぁに?はやてちゃん」
「前髪切ったんか?」
はやてちゃんは、わたしが予想した台詞を言った。その台詞を聞いたフェイトちゃんの反応は・・・・横で固まっている。
(本当に全然気付いてなかったんだ・・・・)
ちょっとむぅっと思いながらもわたしははやてちゃんに問いかけた。
「にゃはは・・・・変じゃないかな?」
「変も何も可愛らしいでぇ~♪」
「あ、ほんとだ。確かにちょっと伸びて来てたわね。うん、良いじゃない」
「うん、よく似合ってるよ」
はやてちゃん達が褒める中、わたしはちょっぴり照れつつフェイトちゃんの様子を伺った。まだ固まったままだ。
「あれ?どうしたのよ、フェイト」
アリサちゃんがフェイトちゃんに声をかけたのがきっかけになったのか、フェイトちゃんがやっと動いた。
「あ、あの、なのはっ」
「・・・・あ、授業の準備しなきゃ」
フェイトちゃんが手を伸ばしてきたけどわたしはなんだかもやもやしててその手を取る事なく避けるように席についてしまった。
(むぅ・・・・フェイトちゃんが悪いんだもん)
わたしは席について、さっき言ったように授業の準備をする。と言っても、まだ朝のHRすら始まっていないのだ。
そんな状態で出来ることなんて限られている。フェイトちゃんの様子が気になってちらりと見てみると・・・・なんだか4人で楽しそうに話してる。
(そういえば、今まで同じ教室にいるのに、わたしだけ離れてる事なんてなかった)
そんな事実に今更ながら気付いてなんだか少し淋しくなってきた。
4人はと言うと、まだ何かを話している。何だか今更「何話してるの?」って輪に入れなくなってしまった。
それから特に何かするわけでもなく外を眺めていた。空を見ているといつもフェイトちゃんと飛んでいる自分を思い浮かべてしまう。
今そのフェイトちゃんが傍にいない事実になんだか胸が締め付けられるように苦しくなって目頭が熱くなってきた。
わたしは気を紛らわすつもりで机に伏せた。
(フェイトちゃんのばかぁ)
腕の部分が何かで濡れたけどわたしは気にすることなくそのままでいた。

人もまばらになってきた放課後の教室。わたしはフェイトちゃんに声をかけられないまま机に突っ伏したままでいた。
「なのはっ、私達今日習い事あるから先帰るわね」
「ごめんね、また明日」
「私もご飯作らなあかんからもう帰るわ~、またな、なのはちゃん」
一足先に帰るらしい三人がわたしにそう声をかけて帰っていく。返事をしようか迷ったけど三人は特に強いることなく帰っていった。
そのままわたしはどうしようか考えた。もし、このまま自分が声をかけないままいたらフェイトちゃんは声をかけてくれるだろうか。
いや、もしかしたら呆れてしまって一人で帰ってしまうかもしれない。そう思うとまた目頭が熱くなって涙が溢れてきた。
「なっ、なのは。そろそろ帰ろう?」
そんな事を考えていたらフェイトちゃんが声をかけてくれた。嬉しさ半分、自分の情けなさ半分、複雑な気持ちでわたしは返事をした。
「・・・・うん」
さっきの名残で少し声が震えたがフェイトちゃんは気付かなかったようだ。
(フェイトちゃんはわたしの事なんかもうどうでもいいのかな・・・・)

「でね、その時アルフが・・・・」
帰り道、いつもより饒舌になっているフェイトちゃんと反対に、わたしは俯いたまま黙って歩いている。
わたしは今日の事をまだちゃんと謝ってもらえてない。いや、本当はもうそんな事気にしていない。
確かに怒っていたけど、今はフェイトちゃんがわたしの事を呆れてしまっているかもしれないと言う考えに支配されつつある。
そんな事を考えていたらもう自分の家の前に着いた。明日、あの場所にフェイトちゃんが立っていてくれるか不安になってきた。
「なのはっ!」
「っ・・・」
と、急だったのと、他事を考えていたこともあって少々強引に肩を掴まれたわたしは一瞬息をのんだ。
「今日は本当にごめん!すぐに気付いてあげられなくて・・・・謝って済む事じゃないけど、ごめん!」
わたしは何を言われてるのか理解できなかった。何故なら久しぶりに触れた彼女の手があまりにも温かくて、そのぬくもりに何だか涙が出てきた。
「・・・・なのは?」
フェイトちゃんが恐る恐るこちらを見る。わたしはその久しぶりに聞く優しい声にまた心を温められ泣きじゃくってしまった。
「・・・・っ、ひっく・・・うぅ」
「なっ、なのは!?」
フェイトちゃんは慌てていたけど、優しくわたしの事を抱きしめてくれた。
最初驚いたけど、身長差のこともありわたしがフェイトちゃんの腕の中にすっぽりはまっていて、そのあまりの気持ちよさに思わず甘えた。
それにいつもなら外だからって言ってなかなかくっついてくれないフェイトちゃんにしては珍しかったから。
そんなことを思いながらわたしは思う存分今日1日の淋しさを埋めるように泣いた。

「フェイトちゃんのばか」
わたしはフェイトちゃんのおかげで落ち着くことが出来た。でもそんなフェイトちゃんにわたしはそう言った。
「え?」
でもまだ抱きしめてもらっていたこともあって、くぐもったようになってしまい肝心のフェイトちゃんには伝わらなかったようだ。
「ごめん。聞こえなかったからもう一回・・・・」
フェイトちゃんが何か言いかけたけどわたしはそれをさえぎるように叫んだ。
「フェイトちゃんのばか!っ!」
「いっ!」
「ばか」を言った瞬間に思いっきり上を向こうとしたらわたしの頭とフェイトちゃんの顎が見事に直撃した。
あまりの痛さに二人で悶絶していた。
「いった~い・・・・」
わたしはさっきまでとは違う理由で涙を浮かべながらしゃがみ込んで頭を抱えていた。
「あははっ」
そんなわたしをみたフェイトちゃんは笑っていた。
「むぅ~・・・・」
なんだかわたしはばつが悪く、立ったまま笑っているフェイトちゃんを睨んだ。
「ぁはは、ごめんごめん。でもなんでさっき泣いてたの?」
フェイトちゃんは笑った事を謝罪しながら、そんな事を聞いてきた。
「それは・・・・」
私はその問いに答えようと考えた。すると自分のその答えに自分でも解るくらい顔を赤くして答えた。
「フェイトちゃんがすぐ謝りに来てくれなかったから・・・・淋しかったの」
「え・・・」
フェイトちゃんは、わたしの返答に戸惑っていた。そりゃそうだよね。怒ってると思ったら「淋しい」って言われたんだもん。
わたしはその事で混乱してるであろうフェイトちゃんに言った。
「確かに前髪切ったのに気付いてくれなかった事は怒ったよ。でも、その後すぐわたしの所に来てくれないんだもん」
わたしは少し頬をふくらませてそう告げた。
「・・・・ぷっ」
するとあろうことか、フェイトちゃんは噴出した。
「あ~、また笑った!」
わたしは気恥ずかしいこともあり、フェイトちゃんに怒る。もうっ、と思っていると・・・・
「あははっ、ごめん。なのは」
「っ」
不意にわたしはフェイトちゃんに抱きしめられた。
「今日はすぐに気付いてあげられなくてごめんね。それからすぐに謝らなくてごめん」
「・・・・ダメ、許さないもん」
わたしはフェイトちゃんの背中に腕を回し、きゅっと力を込めて抱きしめた。傍にいて欲しい思いと、離さないという気持ちで。
「じゃあ、どうしたら許してくれる?」
フェイトちゃんが腕の力を緩ませて体を離してこちらを見ようとしているのが解り、わたしも同じようにしてフェイトちゃんを見上げた。
紅い綺麗な瞳と目が合い、その瞳に優しく見つめられわたしは吸い込まれるように近付き、

ちゅっ

一瞬だけ、フェイトちゃんの唇にわたしのそれで触れた。驚いて目を見開くフェイトちゃんに構わずわたしはフェイトちゃんの耳元に囁いた。
「今日1日触れれなかった分、ずっとわたしに抱きしめられて寝ること!」
フェイトちゃんはそれを聞くとボンっと音を立てたかと思うくらい顔を真っ赤にした。
「・・・・ダメ?」
わたしはフェイトちゃんに強請るように見つめ、フェイトちゃんの返事を待った。すると瞳がすっと細められ、
「お安い御用だよ」
そう言ってフェイトちゃんはわたしに近付きわたし達の影は一つになった。

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