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2012年4月 1日 (日)

あなたでなくちゃ満たせない わたしじゃなきゃ許せなかった

 新年度ですね!
 と、思わせて実は明日からが新年度!
 

 

 そんなこんなでおはこんばんちわ。稀凛です。
 今日はエイプリールフールということでですね、何か嘘でもって思ったんですけど何も特にしない稀凛クオリティ。
 嘘はないですけど、更新SSはあります。
 嘘じゃないです。

 

 最近始めたバイトがですね、12時出勤というゆったり系なので結構時間の使い方にも慣れてきた頃です。
 しかも家から徒歩10分圏内とか神すぎて。
 

 

 そういえばプリキュア。
 スマイルが結構進みすぎて溜め込みすぎて手を出せずにいます。DVDが出始めた頃にプリキュア休暇とか取りたいですね。まだ初代、MAX、S☆S、Yes!GoGo観れてないですし。でもプリキュア休暇とか、1ヶ月ないと辛そう。余韻に浸りたい的な意味でも。

 

 

 本日のSSはですね、久しぶりにイベント日に合わせてのエイプリールフールネタでございます。異色系かもですが。
 カップリングはもちろん、なのフェイ! と、今回はなんとヴィヴィはやも!!
 この間リリマジがありまして、私は参戦しておりませんでしたが、参戦組のいつものメンバーと夜はご一緒しまして。ヴィヴィはや魂の素晴らしいTOMさんにお会いした影響が恐らくキてますね。稀凛は実は、ヴィヴィオをカップリングにするならアインハルト推しなんですが。何故か今回ヴィヴィはやっていう。
 とっむとむにされちゃいました★

 

 そんなわけで、なのフェイ+ヴィヴィはやの「それぞれの嘘」を追記よりどうぞ。

 

※そういえば、TOMさんに勧められたので「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」関連調べてとりあえずミクの聴きました。原作っていうか、元ネタ自体が逆に見つからなくなってて悔しい。曲はとりあえず予想に反して和やかな曲調で夫婦が愛しく思えました。でも、1分半から神がかり的に好きなアレで、鳥肌やばかった。特に2分。あと、私だけですかね。「部下」が「ブタ」に聞こえるんです。
 twitter @kirin_Curio パチパチ拍手(o・ω・o)㍍⊃

 

 新しい月が、年度が始まる。
 今の生活をするようになってから、あまり意識することはなかったけど。
 昔話をしている拍子に思い出して私はこう言った。

 

『明日はね、嘘を吐いても良い日なんだよ』

 

 そう教えてもらったのは昨日でした。
 眠る前にちょっとわくわくしながら考えていたけれど、思いついたのはたった一つしかありませんでした。
 二人の為と言うよりは、わたしの為でもある嘘。

 

 あの人に会いたい。

 

 そんな気持ちも含まれた、わたしの吐いた嘘。
 純粋だけど、不純な嘘。
 少しの期待をしていただけで、本当に叶うとは思っていなかったけど──。

 

 

     - それぞれの嘘 -

 

 

 待ち合わせの時間までは、まだちょっとある。こんな風にどこかで待ち合わせて出掛けるなんていつ振りだろう?
 仕事をするようになってからは、時間が合わなかったり、急にポッカリ空いた時間に少し会うとかそんなことばかりで。あとは、一緒の仕事になったり、家でみんなでゆっくりしたり。
 こうして、デートみたいに待ち合わせの時間と場所を決めて、待ち人が来るのを心待ちにする感覚が久しぶりですごくくすぐったい。
 本当、ヴィヴィオには帰ったらちゃんとお礼しないと。あんなに優しい嘘を吐いてくれたんだから。
「……友達の家に泊まるから、か」
 思い出して呟いたのは、今日の朝ヴィヴィオから告げられた嘘。

『なのはママ、フェイトママ! 今日はママ達お休みでしょ? わたしね、えっと、今日は友達の家に泊めてもらうから、ママ達もどこか出掛けてゆっくりしてきて良いよ!』

 

 それが嘘だと解ったのは、ヴィヴィオが悪戯をする時の笑顔だったから。なんだかそういうところは、本当になのはにそっくりなんだよね。
 笑い方もだけど、嘘の吐き方も。
 人を傷付けたり、からかったりするような嘘じゃなくて。自分の利益になる嘘でもなくて。嘘を吐く相手のことを想っての嘘。
 昨日の夜、ヴィヴィオが寝る前に昔の話を色々していて。その時不意に今日がエイプリールフールだってことを思い出したんだ。それで昔、なのはが私に教えてくれたみたいに、ヴィヴィオに教えてあげようって思ったんだ。
『明日はね、嘘を吐いても良い日なんだよ』
 そんな風に言ったら、不思議そうな顔をして。でも次の瞬間には楽しそうに笑って。
『せっかくだもん! 何か考えてみるね!』
 ヴィヴィオがそう言ったから、私も寝る前にヴィヴィオがどんな嘘を吐くのか楽しみにしていて。いざ蓋を開けてみれば、優しさで出来た嘘だったから胸が温かくなって嬉しくなったんだ。
「フェイトちゃ~ん、ごめん。待たせちゃったかな……って、何笑ってるの?」
「あ、なのは。ううん、ちょっとね。ヴィヴィオのこと考えてた」
「ヴィヴィオのこと?」
「うん。なのはも朝のヴィヴィオのアレ、気付いてるでしょ?」
 いつまでも立ち話というのもなんだから、私となのはは少しずつ歩き出しながら話を続ける。
「あ~……、そりゃあ、ね。ママですから?」
 そんな風に言って笑うなのはは、朝のヴィヴィオとそっくりだった。
「ふふ、さすがなのはママだね」
「もちろんですよ~。大事な娘のことは、なんでも解っちゃうんだよ? でもね……」
 えっへん、と誇らしげに言いながら、なのははそっと私の腕を取って言葉を続けた。
「今日は、なのはママじゃなくて、フェイトちゃんのなのはだよ?」
 そんなことを言われたら、二の句を継げられるわけなくて。
「……その言葉、絶対だからね?」
 言えたのはそれくらいで。いつだってなのはには敵わない。
「でもその前に」
「ん? なぁに?」
 私がなのはを独り占めする前にすることが残っている。
「私のなのはになる前に、なのはママに聞いておきたいことがあるんだけど──」

 

 

 

 

「はぁ~……、思ってた以上に暇だなぁ~。ねぇ、クリス?」
 ママ達が出掛けてから、何をしようかなって考えたけど何もすることがなくて。コロナもリオも確か今日は予定があるって言ってたからなぁ。そういえばアインハルトさんはお休みの時、何してるのかなぁ?
「でも、今日急に誘ったりするのは失礼かなぁ~……」
 そんなことばかりずっとぐだぐだ考えちゃってる。誘いたいけど誘えない。何も考えがまとまらなくて。結局時間だけが無駄に過ぎていっちゃって。
「まぁ、これはこれでゆっくり出来てるよね?」
 クリスにそう話しかけてたら、ちょっとうとうとし始めて。ある意味、無為に過ごすだけの休日っていうのも良いかも……。なんてことを考えながら、心では違うことを思ってる。

 

──……あなたは今、何をしていますか?

 

 想えば想うほど胸が苦しくて。
 淡い期待が、次第に贅沢な我侭に変わっていく。

 

──……あなたに、会いたいです。

 

 願うのは、些細なことで。
 けれどそれは、安易に叶うことでもなくて。
「最近、なんだか忙しそうってママ達言ってたもんね」
 仕方ないよね~、なんて。クリスに言うようにして、自分に言い聞かせる。こんな風に一人でいても、余計なことばっかり考えそう。
「……うん、やっぱりアインハルトさん誘ってみようかな。ティオとも遊びたいもんね~」
 気持ちを誤魔化すようにして、手早くパタパタと支度をして。
「じゃあクリス、アインハルトさんが大丈夫かどうか、散歩しながらでも連絡してみよっか」
 部屋でじっとしていられないから、少しでも身体を動かしたくて。クリスと一緒に玄関へ向かう。
 すると突然、玄関の扉が勢い良く開いた──。

 

 

 

 

「本当……なのはって、手加減……しらない、よね……」
 息も絶え絶えに私はそう嫌味を言って。言われた当の本人は素知らぬ振りで。
「そんなことないよ~? わたしはこれでも手加減してるつもりなんだけどなぁ……」
 優しい振りして負けず嫌いのなのは。ちょっとでも自分が劣勢になると思えば、多少卑怯な手を使ってでも勝とうとする節がたまにある。
 多分、そんなことをするのはわたしにだけだと思うけど。というか、こんな卑怯な手……他の人に使ってるとは思いたくないし、思えない。だって……。
「負けたくないのは解るけど、勝負中にキスしてくるなんて反則だからね!!」
 おかげで、ゲームに集中出来なくなって。その隙になのはがどんどん差をつけるものだから、必死になって取り戻そうとしたけどやっぱりダメで。
「というか、そもそも答えを教えて欲しいから勝負してるのに! なのは、教える気ないんでしょ!!」
 やけになってなのはに文句を言えば、あはは、と軽く笑われて。
「ううん、別に勝負なんかしなくても教えても良いんだけど、ムキになるフェイトちゃんが可愛くてつい、ね」
 ごめんね? なんて可愛く言われてしまって。なんていうか、見事になのはの手のひらで踊らされてる気がしてならない……。
「むぅうー」
 自分でも自覚出来てしまうくらいむくれてしまう。なのはに可愛いって言われるのは嫌いじゃないけど、なんだかからかわれてばっかりだし、あしらわれてる気がして悔しい。
「あぁぁ、ごめん。ごめんね、フェイトちゃん。でもむくれてるフェイトちゃんも可愛い」
 そんなことをにっこり笑って言うなのは。しかもキスのおまけつきなんて。やっぱり、なのはには絶対かないっこない。
「じゃあ教えてよ。どうしてはやてにあんな嘘吐いたの?」
「ふふふ~、それはもちろんなのはママですから。ヴィヴィオの気持ちはお見通しってことだよ」
「?」
 やっぱりなのはの言ってることが、私には解らなかった。

 

 

 

 

「は、はやてさん?」
「あ、あれ? ヴィヴィオ……、風邪で寝込んどるんじゃ……」
 玄関が開いたと思ったら、そこにいたのははやてさんで。わたしが会いたいと想っていた人で。一体今、何が起きているのか解らなかった。
「えっと、わたしはお蔭様で元気です、よ?」
 混乱する頭でなんとかそう答えると、はやてさんは力が抜けたようにへにゃへにゃ~と座り込んだ。
「わっ、わっ、はやてさん?!」
 思わぬことの連続で、慌てながらもはやてさんに駆け寄って。座り込んでしまったはやてさんの顔を窺えば、笑っているような悔しそうな表情を浮かべていて。
「ど、どうしたんですか?」
 今がどういう状況なのか解らなくて心配になってきた。それにしても、わたしが風邪で寝込んでるなんてどこで聞いたんだろう?
「……なぁ、ヴィヴィオ。今日なのはちゃんとフェイトちゃん、どこにおるか知っとるか?」
「え、ママ達ですか? ん~、どこにいるのかは知らないですけど、二人で出掛けてるのは知ってますよ」
「何の用事かとかは?」
「用事? いえ、ママ達はただデートに行ってるだけ、で……」
 そこまで言うと、はやてさんは壁にもたれてうなだれた。
「なるほどな、そういうことか……」
 何か納得したようで、ぶつぶつと何かを呟いていて。
「あの、はやてさん?」
「ん、どした?」
「いや、えっと、その、さっきわたしが風邪で寝込んでるって言ってましたけど……」
「あー……、いや、まぁ」
 曖昧に何かを誤魔化すようにして言葉を濁していて。あまり深く聞かない方が良いかな、とは思うけど。玄関の扉が開いた時の、はやてさんの表情が脳裏から消えなくて。仕事をしている時の顔とも、みんなと過ごしてる時の顔とも違って。わたしの知らない顔だった。
 少し泣き出しそうな、必死な顔だったから。
 もしあれが、わたしのことを心配して出来たものなら、正直すごく嬉しい。
「なのはちゃんに呼ばれて、な」
 ゆっくりだけど、少しずつ迷うように言葉にしてくれる。わたしはその言葉を、一つも聞き逃さないようにじっとはやてさんを見つめる。
「なんや、なのはちゃんもフェイトちゃんも抜けられない用事があって、ヴィヴィオが家で一人だから……、その、様子を見に行って欲しいって鍵をな、渡されたんよ」
 きっと今、何かを誤魔化されたのかな、とは思うけれど。ここまで言ってくれたはやてさんに、これ以上言及することなんて出来なくて。多分だけど、なのはママがわたしのことを想ってなのか、わたしの気持ちに勘付いてなのか──、ううん、きっとどっちもかな。それではやてさんに嘘をついてくれたんだと思う。
 やっぱりなのはママには、なんでもお見通しなのかな。だから大好き。
「ねぇ、はやてさん。今日が何の日か知ってますか?」
「ん? 今日? ん~?」
 フェイトママも言ってたけど、やっぱり普段からあまり意識するような日じゃないから忘れちゃってるのかな?
「……おぉう」
 すると突然、考え込んでいたはやてさんが急に唸り声をあげた。
「は、はやてさん?」
「ヴィヴィオは今日が何の日か、知っとるんか……?」
「えっと、はい。昨日フェイトママが教えてくれました」
「そうか……そうゆうことか……」
 合点がいったのか、はやてさんは膝を抱えて顔を埋めてしまった。でも、髪の隙間から覗く耳が赤いのをわたしは見逃さなかった。
「はやてさん、騙されちゃったんですね」
「……そうゆうことや」
 この耳の赤さが、騙されたことの恥ずかしさなのか、それとも違う何かなのかが気になってしまう。少し期待してしまう。

 

 少しでもその赤みに、わたしの存在は含まれていますか?

 

「まぁ、とりあえず。ヴィヴィオがなんともないみたいで安心したわ」
 気を取り直したはやてさんは、わたしの頭をポンポンとしてくれて。自然と頬が綻んでしまう。
「そういえば、ヴィヴィオご飯は食べたんか?」
「あ。いえ、ボーッとしてただけでご飯のこと忘れてました」
「忘れてたって、なんやそれ」
 あはは、と声に出して笑うはやてさん。この柔らかい雰囲気がすごく好き。そこにいてくれるだけで、空気が和らぐ気がするの。
「じゃあ元気みたいやし、良かったらどっか食べに行くか?」
「いいんですか?! はい! 是非!」

 

 

 

 

「フェイトちゃんって、本当に聡いのか鈍いのか解らなくなる時があるよね~」
「うぅ……、鈍いつもりはない、んだけど、なぁー……」
「そうかな~? だって、わたしが初めてフェイトちゃんにエイプリールフールの嘘吐いた時……」
「わぁあああ!!!!!」
「あれ~? その反応、もしかして覚えてるの?」
 地味に古傷を抉るように迫ってくるなのはから、ある程度の説明を受けていた私は、そうしてやっと今回の展開を理解することが出来た。
 最初はヴィヴィオへのお礼がしたかったから、なのはに何をしたら良いのかって聞いたんだ。そしたら──。
『それなら良い案があるよ。ちょっとはやてちゃん呼んで良いかな?』
 なんでそこではやて? って思ったけど。ヴィヴィオへのお礼をする流れだから、きっと何かをお願いするのかなって思ってた。けど、実際にしたのは嘘を吐いたことで。
『ごめんね、はやてちゃん! わたしもフェイトちゃんも、今日どうしても家にいられなくて。でもヴィヴィオが昨日から熱を出しちゃってて……。一人にさせられないから、はやてちゃんお願い! 看病お願い出来ないかな!?』
 ちょっと泣きそうな潤んだ瞳でそんな風に言われて、有無を言わさず鍵を渡されれば誰だって断れないと思う。でもはやてならそんなこともないかな? って思いながら聞いてたんだけど、はやてってばそれ聞いて二つ返事ですぐに家に行ってくれたんだよね。
「はやてってば、いつもだったら疑ったりするのに今日はやけに素直だったよね? もしかして今日が何の日なのか忘れてるのかな?」
「ん~、あのはやてちゃんに限ってそれはないと思うけど……むしろ、観点はそこじゃないんだよね~」
「え、そうなの?」
「そうなの~」
 楽しそうに笑うなのはは、ヴィヴィオのことだけじゃなくてはやてのことも見透かしているみたいで。
「はやてのこともお見通しってこと?」
「ううん。はやてちゃんのことっていうよりも、ヴィヴィオに関することは、かな?」
「ヴィヴィオに関すること?」
「うん。だってヴィヴィオは大事な娘だもん」
「えーっと、つまり、はやては今日が何の日なのか気付くよりも、ヴィヴィオへの心配が勝って騙されたってこと?」
「ん~、まぁ、簡単に言えばそうゆうことになるかな~」
 なるほど、と思いながらも附に落ちない。
 どうしてなのはは、はやてにその嘘が効果的だと思ったんだろう?

 

 

 

 

「なんや、色々買い物とか寄ったら遅なったけど平気か?」
「大丈夫ですよ! 多分ママ達帰ってくるの遅いと思いますし」
「まぁ、それもそうか」
「でもはやてさん、本当に今日泊まっていってくれないんですか?」
 ちょっと我侭かなって思ったけど、少しだけ甘えたくなってしまって。わたしはそんなことを聞いてしまった。答えは解ってるけど、言わずにはいられなかった。
「ごめんな~。今日はシグナム達も家に帰ってくる日で、久しぶりにみんな一緒なんよ。あ、なんならヴィヴィオがこっち来るか?」
 そんな誘いをもらえるとは思っていなくて、思わず頷きそうになった。でも、それに頷くことは出来ない。だって──。
「そんな! せっかくの家族水入らずですから。ご家族だけでゆっくりしてください」
 少し残念だけど、そう思うのも本心で。はやてさんが大事にしているものを、わたしが邪魔なんて出来ない。
「でもお言葉に甘えて、今度遊びに行かせてもらいますね」
 こんな風にするのが、今のわたしの精一杯。
 好きな人と一緒にいたいけど、好きな人の大切な時間を奪うことは出来ない。むしろ、好きな人がそれを大事に出来る関係でいたい。
「ヴィヴィオはもう少し甘えること覚えてもいいんよ?」
 そんな風に思っていたら、はやてさんが少し悲しそうにそう言って。どうしてそんな顔をするのか解らなかった。
 今日は、はやてさんの知らない表情をたくさん見た気がする。
「なのはちゃん達のことを思って、二人きりにさせたのかも知れんけど、なのはちゃんとフェイトちゃん、そんでヴィヴィオの三人だって家族やろ?」
「あ……」
「二人の為って言うのも良いけどな、あの二人のことやからヴィヴィオと一緒に三人で過ごすのも幸せに感じとるはずや」
 優しくそう諭されて、わたしは泣きそうになった。自分では気付いてなかったけど、はやてさんの言葉を聞いて胸の内の小さな気持ちに気付いた。
 きっと、わたしは淋しかった。
 ママ達が一緒にいる時、すごく幸せそうだったから。
 きっと二人きりでいられたらもっと幸せなのかなって思ってた。
 わたしは一緒にいられないって、どこかで勝手に思ってた。
 ママ達の幸せの中に、わたしもいて良い理由がないって感じていたのかも知れない。
 でもそうじゃない。違ったんだ。
 わたしもママ達の幸せの中に、一緒にいられるんだ。理由なんて探さなくても、家族なんだから……。
「はやてさん……、ありがとうございます!」
 ママ達が、わたし達は家族だと言ってくれるのが嬉しい。
 わたし自身で、ママ達と家族だと感じられるのも嬉しい。
 でも何より。
 わたしとママ達が、家族だと認めてくれてる人がいるということがすごく嬉しい。
「えへへ、はやてさん大好きです!」
「なんや? どうしたん、急に」
「言いたくなったから言いました」
 半分本当で半分嘘。本当の気持ちではまだ伝えられないけど、今はまだこのままで。
「ありがとな。私もヴィヴィオのこと好きやで」
 仮初だとしても、その言葉を聞けることが嬉しい。いつか、違う風に言ってもらえることを願ってしまうけれど。
 今は、これだけで満足。
「それじゃ、そろそろお暇させてもらうな~」
「今日は色々とありがとうございました!」
「いいんよ~。なのはちゃん達が帰ってきたら思う存分甘えるんやで~? きっとフェイトちゃん辺りが大喜びするはずや」
 いたずらっ子みたいに笑って、それじゃあまたな~、とはやてさんは玄関の扉を閉めた。
 その閉められた扉を見つめて、そっと近付いて手で触れて。
 言えなかった気持ちを素直に吐き出す。
「はやてさんが、大好きです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 後ろ手に扉を閉めて、静かに背中を預ける。
 今日ここに来た時の気持ちと正反対で、今では満たされた気持ちでいっぱいや。
 正反対って言っても、ヴィヴィオのことでいっぱいになっとるのは一緒やけど。
 初めは今日が何の日か気付かんくらい必死になっとった。せやけど、騙されとったことに気付いた時は、なのはちゃんの嘘の意図に気付いて恥ずかしくて堪らんかった。ほんま、あの子はどこまで見透かしとるんか解らん。さすがにヴィヴィオにまで気付かれとらんとは思うけど、もし気付かれたらと思って焦ったわ。
 そやけど、せっかくの機会やから存分に過ごさせてもらったわ。
 ヴィヴィオと二人で買い物やらご飯なんて普段出来んからな。だからってなのはちゃんにお礼なんて言わんけどな。騙しとったことと両成敗やろ。
 それに、ヴィヴィオは甘え方と淋しがり方を知らんからな。まだ足らんとこはあるけど、あれで多少は変わってくれると良いんやけどな。
 でも最後に、あんな嬉しいこと言うてくれるとはな。
「大好きです、か」
 それがどういう意味で言われてるかなんて、簡単に解る。せやから私が答えられるのは一つしかあらへん。
 本当を隠した嘘のそれやけど。
 今日はエイプリールフールやから。
 嘘の中に、本当を交えたってバレへんやろ?
「ヴィヴィオのこと、私は好きやよ……」
 素直な気持ちを吐き出せば、少し背中が熱くなった気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          - Fin~

 

 

 

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